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【小説】「機龍警察 未亡旅団」 月村了衛

「お前は裏切り者になる。命を懸けて救った友からも憎まれる。それでも構わないと言うのか」

「構わない」

ライザはじっと相手を見つめる。虚無に閉ざされた双眸で。

「お前は私より強い」

 

 

 

 チェチェン紛争で家族を失った女だけのテロ組織『黒い未亡人』が日本に潜入した。公安部と合同で捜査に当たる特捜部は、未成年による自爆テロをも辞さぬ彼女達の戦法に翻弄される。一方、特捜部の城木理事官は実の兄・宗方亮太郎議員にある疑念を抱くが、それは政界と警察全体を揺るがす悪夢につながっていた―世界のエンタテインメントに新たな地平を拓く“至近未来”警察小説、衝撃と愛憎の第4弾。

 

 というわけで機龍警察も第4弾まで来ました。姿、ライザ、ユーリと各傭兵を掘り下げた3作から若干毛色を変え、今作は特捜部生え抜き組に焦点があたった格好。

 

 

 今回も悪役が素敵。今までは基本的にぶち殺してしまってもそんなに心の傷まない連中でしたが、今回はいやーな後味をひたすら残すタイプ。シーラさんのエロ魔性の女っぽさを感じ取った。

 カティアちゃんには死亡フラグが立ちまくりというか、機龍警察シリーズは各巻の独立性を結構意識してるように思えて基本的にレギュラーメンバー以外は全員血だまりに叩き込んでいるイメージだったのでハラハラでした。よかった生き残って。

 しかし今回は今までのシリーズより格段に警官が死んでる気がする。この警官がバシバシ死んでく警察小説は、結構例がないと思うので機龍警察の強みとして生かしていくほうがいいかなーと思う。無印の頃の違和感が薄れてだいぶ慣れてきた。